十一面観音菩薩立像は四国霊場第65番札所・三角寺の本尊である。像高168p、ヒノキの一木造で、内刳りはなく、髪部は墨彩し、天冠台下の地髪部分のみ緑青彩で、他は漆箔が施されている。地髪の一部、裳先の衣端、両足先に若干の損傷があるが、衣文などは、ほぼ造像当時のものを残している。像容は古様を伝え、面相部の重厚な肉どり、躯部の厚く張りのある力強い感じ、衣文の刻み、裳の折り返し、裾部の翻波に似た彫りの深い衣文の趣等からも、製作は10世紀も早い時期のものと考えられている。
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