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「評」とは「コホリ」であり、古代の地方行政単位で、その中核的施設が官衙、即ち役所である。「郡」を古くは「コホリ」と呼んだことは一般的にも良く知られている。「評」の成立時期については諸説あるが、七世紀後半において各地に成立したもので、八世紀初頭の大宝令以降「郡」へと引き継がれた。つまり、「評」を示す資料は七世紀代に他に先んじて成立した官衙(役所)の存在を示唆している。
伊予国(愛媛県)において「評」段階の官衙が知られているのは、中予では松山市の「久米評」と「湯評」、南予の西予市に所在する「宇和評」、そして、東予の四国中央市に所在する「馬評(宇摩郡)」である。
四国中央市はかつて「宇摩郡」と呼ばれていた地域を母体として2004年4月に誕生した市である。この宇摩郡は言うまでもなく大宝令以降の「郡」を継承したものであり、「馬評」はその前身と考えられる。言わば四国中央市という「官衙」の原点がそこにある。
※ 写真の「馬評」銘須恵器は岡山県立博物館の許可を得て掲載しています。複製・転載は禁止します。
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